
「ホームページに何十万もかけられない、でも安物買いで失敗したくない…」その悩み、痛いほど分かります。
開業準備中は、内装工事や機材の導入で、驚くほどのスピードで資金が溶けていきますよね。施術ベッド一台、待合室のソファ一つ選ぶのにも神経を使う中で、ホームページ制作会社に見積もりを取ったら「50万円」「100万円」という数字が並ぶ。これでは心が折れそうになるのも無理はありません。
「予算20万円以下」というのは、決して恥ずかしい数字ではありません。むしろ、スタートアップの個人事業主としては極めて現実的で、健全な感覚です。
実は格安制作には、利用してはいけない「地雷」と、賢く使えば武器になる「合理的な安さ」の2つが存在します。多くの情報サイトはポジショントークで高額な制作へ誘導しようとしますが、私はあえて言います。整体院のような地域ビジネスであれば、最初は格安制作でも十分に戦えます。 ただし、「選び方」さえ間違えなければ。
本記事では、業界の裏側を知るプロデューサーの視点で、格安ホームページ制作のデメリットを正しく理解し、致命的なリスクを回避して発注するための見極め方を徹底解説します。これは、あなたの虎の子の資金を守るための防衛マニュアルです。
格安ホームページ制作のデメリットとは?安さの裏にある「3つのカラクリ」
- 完全オーダーメイドではない:既存のテンプレートを使用するため、デザインの自由度は低い。
- 集客・SEO対策は別料金か範囲外:あくまで「名刺代わりのサイト」を作るのがゴール。
- 修正回数やサポートの制限:安さは「人件費の削減」で成り立っている。
まず大前提として、「なぜ安いのか」を理解しておく必要があります. 制作会社がボランティアでない以上、安さには必ず理由があります。その正体は「工数の削減」です。
通常、Web制作にはディレクター、デザイナー、コーダー(プログラマー)など複数の専門家が関わりますが、格安制作ではこれらをテンプレート化や少人数体制で効率化しています。
freeeなどのビジネス情報サイトでも指摘されている通り、『格安制作会社の場合、集客やSEOの施策は依頼できないデメリットや、作業範囲・機能に制限があるケースが多い』のが現実です。「丸投げすれば、勝手にお客さんを集めてくれる魔法の箱ができる」とは思わないでください。そこさえ割り切れば、格安制作はコストパフォーマンスの良い選択肢になり得ます。
【これだけは避けろ】致命的な失敗につながる「悪い格安」の典型パターン
- スマホ対応(レスポンシブ)が別料金:現代の検索の8割はスマホから。これがないのは論外。
- デザインが素人レベル:ひと昔前の古臭いサイトは、かえって店舗の信用を落とす。
- 連絡が遅い・つかない:制作進行中に音信不通になる個人の格安業者も存在する。
「安かろう悪かろう」の中でも、絶対に許容してはいけないラインがあります。特に整体院のような店舗ビジネスにおいて、「素人感丸出しのデザイン」と「スマホで見づらいサイト」は致命傷です。
患者さんは、あなたの技術を体験する前に、まずホームページで「この先生に体を預けて大丈夫か?」を判断します。ボロボロの看板のお店に入りづらいのと同じで、デザインが崩れていたり、スマホで文字が小さすぎたりするサイトは、それだけで予約の機会損失を生みます。
「初期費用0円」や「リース契約」に潜む法的なリスクと解約トラブル
- 5年〜7年の長期契約縛り:総額では100万円以上になるケースが多い。
- 途中解約不可:店を畳むことになっても支払いが続く「借金」と同じ契約。
- 所有権がない:解約するとホームページ自体が消滅し、手元に何も残らない。
これが今回、私が最もあなたに伝えたい警告です。「初期費用0円、月々2万円」といった甘い言葉で近づいてくる営業電話には注意してください。これは「ホームページリース」と呼ばれる契約形態である可能性が高いです。
法律上、ホームページは無形物なので本来リース契約の対象外ですが、SEO対策ソフトや更新ソフトとセットにしてリース契約を結ばせる手法が横行しています。これは実質的な「借金」です。
万が一、開業後に経営方針が変わってサイトを作り直したくても、解約金として残債を一括請求されます。安く始めるつもりが、最も高くつく結果になりかねません。「契約期間の縛り」があるものは、基本的には避けるのが賢明です。
契約前に必ず確認すべき5つの質問リスト(所有権・更新費・修正範囲)
- ドメインとサーバーの名義は誰か?:自分名義でないと、のちのち人質に取られる。
- 月額管理費に含まれる作業範囲は?:テキスト修正は無料か、都度課金か。
- 修正回数の上限は?:デザイン確認時の修正は何回まで無料か。
- CMS(WordPress等)での納品か?:自分でブログ更新ができるシステムが入っているか。
- 解約時にデータはもらえるか?:他社への引っ越しが可能か。
契約書にハンコを押す前に、必ずこの5つを確認してください。特に重要なのが「ドメインとサーバーの権限」です。
ここが制作会社名義になっていると、将来的に付き合いを辞めたいと思った時に「ドメインを返して欲しければ数十万円払え」といったトラブルに発展することがあります。整体院にとってドメイン(〇〇-seitai.comのような住所)は、長く運営するほど資産価値が上がるものです。必ず「自社名義」で管理できるか確認しましょう。
格安制作でも失敗しないケース・向いている業種の条件
- 「名刺代わり」のサイトがあれば十分な場合:集客は他の媒体で行う前提。
- 原稿や写真を自社で用意できる場合:制作会社の工数を減らせるため安くなる。
- 店舗ビジネス(整体・美容室など):Googleマップやポータルサイトが集客の主軸になるため。
あなたの整体院の場合、ホームページだけで集客を完結させる必要はありません。今は「Googleマップ(MEO対策)」やSNSの方が、地域集客には即効性があります。
つまり、ホームページの役割は「マップで見つけた人が、最後に信頼性を確認するための受け皿」であれば良いのです。この役割分担ができているなら、高機能な高額サイトは不要です。清潔感があり、料金と場所、院長の顔が見えるシンプルなサイトを格安で作る。これは非常に合理的な戦略です。
デメリットをカバーして予算内で成果を出すための「賢い発注のコツ」
- 写真はプロに撮ってもらうか、高品質な素材を用意する:デザインの8割は写真で決まる。
- 参考サイトを具体的に提示する:「こんな雰囲気で」とURLを送るのが最大の失敗回避術。
- 「やらないこと」を決める:複雑な予約システムなどは入れず、最初はLINEへのリンクで十分。
格安制作で失敗しない最大のコツは、「写真」にお金をかけることです。テンプレートを使った格安サイトでも、写真がプロクオリティであれば、驚くほど高見えします。ホームページ制作費を削った分、3万円〜5万円でも良いのでプロのカメラマンに出張撮影を依頼してください。これが満足度を分ける決定打になります。
どうしても予算がない場合の「自作ツール(NoCode)」という選択肢
- Wix、ペライチ、Studio:プログラミング不要で直感的に作れる。
- メリット:圧倒的低コスト。月額0円〜数千円で維持可能。
- デメリット:あなたの「時間」というコストがかかる。慣れていないと完成しないリスクも。
もし、予算20万円どころか「数万円も厳しい」という状況なら、制作会社への依頼は諦めて「自分で作る」のが正解です。今は『ペライチ』のような初心者向けのツールが充実しています。
ただし、開業準備で忙殺されているあなたが、慣れないPC作業に何十時間も費やすことができるかどうか。そこは経営判断です。「時は金なり」と言います。内装準備やチラシ配りに時間を使いたいなら、格安制作会社に依頼する方が、結果的に安上がりになることもあります。
まとめ:安さを武器にするか、安さに食われるかは「知識」で決まる
格安ホームページ制作は、決して「悪」ではありません。悪いのは、仕組みを知らずに契約し、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔することです。
- 長期リースの契約書にはサインしない
- ドメインの権限は自分で持つ
- 写真は自前で最高の用意をする
この3つを守れば、20万円以下の予算でも、あなたの整体院の信頼を支える立派なホームページは作れます。
まずは小さく始めて、お店が繁盛して資金に余裕ができたら、その時にリニューアルすれば良いのです。完璧を目指して足踏みをするよりも、まずは「最低限のリスクヘッジ」をした上で、一歩を踏み出してください。あなたの開業が素晴らしいスタートになることを応援しています。