
「この見積もり、桁が一つ違わないか?」
そう感じたあなたの直感は、おそらく正しいかもしれません。Web制作業界には、発注者との知識の差を利用して不当な利益を得る業者が今なお存在します。
私は普段、AIを活用したSEO記事作成やGoogleマップ運用の自動化システムを構築・提供しています。テクノロジーでコストを極限まで下げる現場に身を置いているからこそ、旧態依然とした制作会社が提示する見積もりの「異常な利益率」や「不透明な人件費」が手に取るようにわかります。
経営者であるあなたが汗水垂らして稼いだ利益を、実体のない「技術料」や「管理費」として搾取されるのは見ていられません。
本記事では、実際にあったぼったくり事例を紐解きながら、あなたの目の前にある見積書が「投資」なのか「搾取」なのかを見分ける決定的な基準を明かします。知識さえあれば、カモにされることはありません。一緒にその中身を精査していきましょう。
Web制作で「ぼったくり」と言われる典型的なトラブル事例5選
- 契約後に「修正費」や「追加機能費」として高額請求される
- 完全オリジナルと言われたが、実は数千円のテンプレートだった
- 月額保守費用を払っているのに、更新作業を全くしてくれない
- 解約を申し出たら「ドメインとデータの譲渡はできない」と脅される
- 営業担当と連絡が取れなくなり、サイトが宙に浮く
Web制作のトラブルは、納品されたモノの良し悪し以前に、契約や費用の不透明さから生じることがほとんどです。特に中小企業の経営者を狙い撃ちにした悪質な事例は後を絶ちません。
よくあるのが、初期費用を安く見せておいて、後から「それは別料金です」と請求を積み重ねるパターンです。「スマホ対応は別途20万円」「問い合わせフォーム設置は別途10万円」など、プロから見れば数クリックや短時間で終わる作業に法外な値段をつけるケースがあります。
また、最も悪質なのが「人質ビジネス」です。毎月の保守費用が高いので解約したいと伝えた瞬間、「ドメイン(URL)とサーバーの契約者は弊社なので、解約するならサイトは消滅します」と突きつけられる事例です。これは実質的に、あなたが自社の看板を他人に握られているのと同じ状態です。これらは決して他人事ではありません。
なぜ相場より高くなる?悪徳業者が使う「巧妙な手口」の裏側
- 「Webは専門技術だから」というブラックボックス化を利用
- 作業工数(人件費)を水増しして請求に乗せる
- 不要なオプション機能を「必須」として抱き合わせ販売
- 下請け、孫請け構造による中間マージンの多重発生
なぜ、これほどまでに価格差が生まれるのか。その最大の理由は「情報の非対称性」にあります。
多くの経営者にとって、Web制作は「何にどれくらいの時間がかかるか分からない」未知の領域です。悪徳業者はそこを突き、「これは高度なセキュリティ設定が必要で…」といった専門用語を並べ立てて、本来不要な作業工数を上乗せします。
また、制作業界特有の「多重下請け構造」も価格高騰の原因です。あなたが打ち合わせをした立派なオフィスの制作会社は、実は営業機能しか持っていないことがあります。実際の制作はフリーランスや別の下請け会社に丸投げされ、そこでもマージンが抜かれる。その結果、実制作費は10万円程度なのに、あなたの手元には100万円の見積書が届くというカラクリです。
私が推進する自動化の視点で見れば、現代のWeb制作はツールやAIの進化で劇的にコストダウンが可能です。それにも関わらず、旧来の「人月商売(1人が1ヶ月働く単価)」で見積もりを出してくる業者は、その時点で警戒が必要です。
【計算式】その見積もりは適正か?費用内訳から見抜く診断ポイント
- 「一式」という言葉が3つ以上ある見積もりは危険信号
- ディレクション費(進行管理費)が総額의 30%を超えていないか
- 更新システムの導入費と、毎月の保守費のバランスを確認
- 「人月単価 × 予想作業時間」で逆算してみる
お手元の見積書を見てください。「デザイン費 一式」「コーディング費 一式」と書かれていませんか? この「一式」は、詳細を隠すための魔法の言葉です。
適正な見積もりかどうかを判断するための簡易的な計算式をお伝えします。
【簡易診断式】
(制作ページ数 × 3〜5万円) + (ディレクション費 10〜20万円) = 適正価格の目安
例えば、トップページ+下層5ページ程度の一般的なコーポレートサイトであれば、30〜50万円程度がひとつの基準になります。これが150万円、200万円となっている場合、そこに「何」が含まれているのかを徹底的に問いただす必要があります。
また、経営者向けメディア『経営ハッカー』でも指摘されていますが、Web制作料金の仕組みは基本的に「人件費」です。「誰が、何時間働くか」で決まります。もし200万円の見積もりなら、単価50万円のエンジニアが4ヶ月つきっきりで作業する計算になります。本当にそれだけの規模のサイトなのか? 一度冷静に考えてみてください。
リース契約は絶対にNG?Web制作業界に蔓延する「負の慣習」とは
- ホームページ制作での「リース契約」は原則として不適切
- 5年〜7年の長期縛りで、中途解約ができない地獄の契約
- リース切れのタイミングで「再リース」か「サイト消滅」を迫られる
- SEO対策やサポートが含まれると言いながら実態がないケースが多い
ここが最も重要な警告ポイントです。もし提案されている契約が「リース契約(ビジネスクレジット)」なら、今すぐ断ってください。
本来、リース契約はコピー機やパソコンなどの「有体物(物体)」に対して結ぶものです。形のないホームページ(無体物)や役務提供にリース契約を利用することは、原則として不適切とされています。しかし、一部の業者は「更新ソフトの利用料」などの名目で強引にリース契約を結ばせます。
このリスクは計り知れません。一度ハンコを押せば、たとえ業者が倒産しようが、サイトの出来が悪かろうが、5年〜7年にわたって毎月数万円の支払義務が残ります。解約できません。しかも、5年後に支払いが終わっても、サイトの所有権はリース会社にあるため、自分のものにはならないのです。
「月々わずか2万円でホームページが持てます」という甘い言葉の裏には、総額100万円以上の借金と、5年間の拘束が待っています。絶対に避けてください。
逆に「安すぎる」のも危険。格安制作がぼったくり以上に高くつく理由
- 「初期費用0円」は、高額な月額契約への入り口
- 著作権を業者が保持し、他社への乗り換えを封じる
- テンプレートに画像を貼るだけで、集客効果が皆無
- 修正のたびに高額なスポット料金を請求される
高額な見積もりに驚いて、逆に「初期費用0円」や「格安3万円」を謳う業者に飛びつくのも危険です。ビジネスにおいて、理由のない安さは存在しません。
格安業者の多くは、契約期間を縛ることで利益を回収するモデルか、あるいは「釣った魚に餌をやらない」放置モデルです。特に問題なのが、集客効果が全くない「ただあるだけのサイト」を作られてしまうことです。
SEO(検索対策)の観点から言えば、中身のないペラペラのサイトはGoogleから評価されません。安く作っても、誰にも見られないサイトなら0円の価値しかありません。むしろ、サーバー代などの維持費分だけマイナスです。
私が推奨するのは「適正価格」です。安物買いの銭失いにならないよう、安さの理由が「自動化による効率化」なのか、単なる「手抜き・罠」なのかを見極める必要があります。
騙されないための防衛策:契約前に必ず確認すべき5つの質問
- 「ドメインとサーバーの名義は誰になりますか?」
- 「解約時に、サイトのデータはすべて渡してもらえますか?」
- 「修正回数に制限はありますか? 超過分の料金はいくらですか?」
- 「使用するCMS(更新ツール)は何ですか? WordPressですか?」
- 「制作後の保守契約は必須ですか? 自分で管理することは可能ですか?」
契約書にサインする前に、この5つを必ず担当者の目を見て質問してください。
特に重要なのが1つ目と2つ目です。「ドメイン(住所)」と「サーバー(土地)」と「データ(家)」が自社の名義になっているか。これが確保されていれば、万が一その制作会社と揉めても、他の会社に管理を移すことができます。
また、更新ツールが独自のマイナーなシステムだと、その会社以外では誰も修正できなくなります。世界標準である「WordPress(ワードプレス)」で作っておけば、扱える業者が多いため、将来的なリスクヘッジになります。
これらの質問に対して言葉を濁したり、「それは会社の規定で…」と誤魔化す業者は、その場でお引き取り願いましょう。
万が一トラブルに発展した場合の相談窓口と法的対処法
- 「消費生活センター」や「中小企業庁の下請かけこみ寺」へ相談
- 弁護士による内容証明郵便で契約解除を迫る
- クーリングオフが適用できる可能性を確認する(条件あり)
- 証拠保全のために、やり取りはすべてメールや書面で残す
もし既に契約してしまい、「騙されたかもしれない」と感じている場合も、諦めないでください。
事業者間の契約であっても、あまりに実態と乖離した勧誘方法や、錯誤を招く説明があった場合は、契約の無効や取り消しを主張できる可能性があります。まずは地元の「消費生活センター」や、弁護士の無料相談などを利用して、専門家の意見を仰いでください。
特にリース契約の場合、施工(サイト完成)前に「検収完了」のハンコを押していなければ、支払いを止められる可能性があります。業者は「早くハンコを」と急かしてきますが、サイトが完全に完成し、納得するまでは絶対に検収書にサインしてはいけません。
信頼できるWeb制作会社を見極めるための「3つの絶対条件」
- リスクやデメリットについても隠さずに説明してくれる
- 「見積もりの詳細」を素人が理解できる言葉で解説できる
- 「作ること」だけでなく「運用して成果を出すこと」をゴールにしている
最後に、信頼できるパートナーを見つけるための条件をお伝えします。
本当に誠実な業者は、Webサイトが「魔法の杖」ではないことを知っています。だからこそ、「サイトを作ればすぐに客が来ます」とは言いません。「運用には手間がかかります」「SEOには時間がかかります」といったネガティブな情報も正直に伝えてくれる相手こそが信用できます。
また、見積もりの内訳を質問した際に、「これはサーバー設定の費用で、こちらはスマホ対応の検証費用です」と、明確に答えられるかどうかも試金石です。
あなたは経営者として、自社の商品やサービスに誇りを持っているはずです。その大切なビジネスの顔となるWebサイトです。「不安」を「確信」に変えてくれる、対等なパートナーを選んでください。焦る必要はありません。一度立ち止まり、このチェックリストを片手に、もう一度見積書を見直してみてください。それが、あなたの会社を守る最初の一歩になります。