
「おすすめのWeb制作会社10選」——。検索窓にキーワードを打ち込むと、判で押したようなタイトルの記事がずらりと並びます。上から順に眺めてみて、ふとこう思いませんでしたか?
「結局、どこも同じようなことしか書いていない」
「本当に実力を比較しているのか? お金をもらって載せているだけではないのか?」
その直感は、残念ながら正しいです。
私は普段、AIを活用したSEO記事やGoogleマップ運用の自動化システムを開発・提供する立場にいます。つまり、Googleの検索結果で「いかに上位に表示させるか」という裏側のロジックや、Webマーケティング業界の集客構造を骨の髄まで理解している人間です。だからこそ断言できます。
多くの比較サイトやランキング記事は、『実力順』ではなく『大人の事情』で並んでいます。
予算が限られ、失敗が許されない中小企業の経営者や担当者様にとって、このノイズだらけの状況は死活問題でしょう。本記事では、業界の裏側を知る立場から、なぜ比較サイトが信用できないのかという構造的な理由を明かします。そして、情報に踊らされず、本当に自社のビジネスを加速させてくれるパートナーを自力で見抜くための「選定眼」をお渡しします。
なぜ制作会社の比較サイトは「信用できない」と感じるのか?
- 検索上位の比較記事は「アフィリエイト」や「自社集客」目的が大半である
- 執筆者が実際に発注して検証した記事はほぼ存在しない
- 「おすすめ」の根拠が曖昧で、スペックの羅列に終始している
あなたが比較サイトを見て抱いた「違和感」の正体。それは、その記事が「あなたのために書かれたもの」ではなく、「記事を書いた会社が儲かるために書かれたもの」だからです。
Web制作業界において、「制作会社 おすすめ」のようなキーワードは、顧客獲得単価が高い激戦区です。ここに記事を上位表示させているメディアの多くは、実体験に基づいたレビューを書いているわけではありません。ネット上に落ちている基本情報を拾い集め、当たり障りのない紹介文を添えて並べているだけのケースが非常に多いのです。
また、Sourceとして参照されることの多い「カバデザイン」のブログでも指摘されている通り、多くの「おすすめ記事」は、実体験に基づかない情報や広告費による掲載、あるいは自社サイトへの被リンク獲得(SEO対策)を目的としたランキング操作が行われている実態があります。あなたの直感は、Webリテラシーが高い証拠です。まずはその感覚を信じてください。
比較サイトの裏側:掲載順位や「おすすめ」が決まる仕組み
- ランキング上位=「広告費を多く払った会社」である可能性が高い
- 紹介料ビジネス(マッチングサイト)の構造を理解する
- 本当に実力のある人気制作会社は、そもそも比較サイトに載る必要がない
では、具体的にどのような力学で「おすすめ」が決まっているのか。裏側を少し覗いてみましょう。大きく分けて、比較サイトには2つのパターンがあります。
1. 掲載課金・広告枠型
これはシンプルに、掲載料を支払った会社が目立つ位置に表示されるパターンです。「厳選」や「ランキング1位」という言葉の裏には、「今月、最も広告費を積んでくれた会社」という意味が隠されていることがあります。
2. 成約課金・紹介料型(マッチングサイト)
「一括見積もり」などがこれに当たります。あなたが制作会社と契約すると、制作会社側からマッチングサイトへ「紹介手数料(案件総額の10〜20%程度)」が支払われる仕組みです。
ここで重要な事実に気づくはずです。「本当に腕が良く、黙っていても仕事が舞い込む制作会社」は、わざわざ手数料を取られる比較サイトに登録する必要がないのです。
つまり、比較サイトに並んでいるのは「集客に困っている会社」か「営業リソースをアウトソーシングしている会社」のどちらかである確率が高い、というフィルターがかかっていることを知っておく必要があります。
信用しすぎは危険!比較サイトで見落としがちな3つの落とし穴
- 紹介手数料が上乗せされ、見積もり金額が割高になるリスク
- 担当者の質ではなく、サイト運営側の都合でマッチングされる
- 口コミや評判が操作されている(サクラの存在)可能性
比較サイトを盲信して発注先を決めてしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか。
落とし穴1:見積もりが割高になる
前述の通り、マッチングサイトを経由すると制作会社は手数料を支払います。そのコストは誰が負担するのか? 結局は、あなたの見積もりにこっそりと上乗せされる形で転嫁されるのがビジネスの常識です。直接依頼すれば100万円で済んだものが、サイトを通すだけで120万円になるイメージです。
落とし穴2:構造的なミスマッチ
比較サイトのエージェントが紹介してくるのは、「あなたの会社に最適な制作会社」ではなく、「今すぐ対応可能(=暇)で、かつサイト側に高い手数料を落としてくれる制作会社」かもしれません。彼らもビジネスですから、自社の利益を優先するのは当然の行動原理です。
落とし穴3:口コミの信憑性
Googleマップの運用にも携わっている私から見れば、Web上の口コミがいかに操作しやすいかは明白です。匿名性の高い比較サイト上の「絶賛コメント」は、話半分で聞くのがリテラシーです。
騙されないために。比較サイトを「情報収集ツール」として割り切るコツ
- 比較サイトは「知らない会社名を知るためのリスト」として使う
- 気になった会社は必ず検索し直し、一次情報(公式サイト)を確認する
- 「一括見積もりボタン」は押さず、個別に問い合わせる
ここまで比較サイトのネガティブな側面を強調しましたが、完全に無価値というわけではありません。数ある制作会社の中から、地域や得意ジャンルで絞り込んでリストアップする「データベース」としての機能は優秀です。
重要なのは「フィルターとして使いこなす」という姿勢です。
- 比較サイトで、条件に合いそうな制作会社の「名前」だけをピックアップする。
- その会社の公式サイトをGoogle検索で直接見に行く。
- 比較サイトの評価ではなく、公式サイトの実績やブログを見て判断する。
- 問い合わせは比較サイトを経由せず、公式サイトのフォームから直接送る。
これだけで、手数料によるコスト増を回避しつつ、相手企業と直接対話する土俵に乗ることができます。
プロが実践する、本当に信頼できる制作会社を見極める5つのチェックリスト
- 【実績】画像だけでなく「どのような課題をどう解決したか」が書かれているか
- 【更新】ブログやSNSが直近まで更新されているか(生きた会社か)
- 【ヒアリング】「何を作りたいか」だけでなく「なぜ作りたいか」を聞いてくるか
- 【リスク】できないことやデメリットを事前に説明してくれるか
- 【担当者】営業担当だけでなく、実際に制作するディレクターと話せるか
比較サイトを卒業し、自力で公式サイトをチェックする際に、私が必ず見るポイントをお教えします。
1. 実績紹介の「深度」を見る
綺麗なデザインのスクリーンショットだけ並べている会社は要注意です。プロが見るのは「Before/Afterの数値」や「クライアントの課題背景」です。「採用率を上げるために、社員インタビューをメインにした」など、意図が明確な実績が多い会社は信頼できます。
2. 「生きた情報」の発信頻度
最終更新が2年前のブログしかない会社は、業界のトレンドから取り残されているか、リソース不足でパンクしている可能性があります。Webは変化が激しい業界です。自社の発信すらできない会社が、あなたの会社の発信を支援できるでしょうか?
3. ヒアリングの質
問い合わせ後の最初の打ち合わせで、「どんなデザインがいいですか?」「参考サイトはありますか?」としか聞かない会社は、単なる作業屋です。「今回のWebリニューアルで、経営上のどんな数字を改善したいですか?」と、ビジネスの根幹に触れてくる会社こそがパートナーにふさわしいと言えます。
相見積もりで「安さ」よりも「提案の具体性」を重視すべき理由
- Web制作の金額差は「思考の深さ」と「将来の運用コスト」の差
- 「安さ」だけで選ぶと、公開後に修正費用や機会損失で高くつく
- 独自の提案が含まれている見積もりは、プロが汗をかいた証拠
予算が限られている状況では、どうしても「一番安いところ」を選びたくなる気持ちは分かります。しかし、Web制作において「安物買い」は最も高い買い物(銭失い)になります。
金額の差は、目に見えない「設計の緻密さ」に出ます。安い見積もりは、テンプレートを流用し、言われた通りに作るだけの作業費かもしれません。一方、高い見積もりには、競合調査、SEO設計、公開後の更新しやすさへの配慮など、あなたのビジネスを成功させるための「見えない工数」が含まれているのです。
相見積もりを見る際は、金額の安さではなく「提案書の具体性」を見てください。「御社の業界なら、今はこういうキーワードを狙うべきです」といった、あなたの会社独自の戦略が含まれているなら、多少高くてもその会社を選ぶべきです。それは投資だからです。
比較サイト以外のルートで優良な制作会社を探すための代替案
- Googleマップ(ローカル検索)で近場の評判が良い会社を探す
- 同業他社や取引先で「良いWebサイト」を持っている会社に紹介を頼む
- X(旧Twitter)などで、実名で発信しているクリエイターを探す
比較サイトに頼らない探し方は他にもあります。
特に私がおすすめするのは、Googleマップでの検索です。「地域名 + Web制作」で検索し、実際にオフィスが存在し、地に足のついた活動をしている会社を探してください。Googleビジネスプロフィールの口コミは、比較サイトよりはるかに生々しい(ごまかしの効かない)声が拾えることがあります。
また、Web制作は「人」に依存するビジネスです。SNSでWeb制作のノウハウを発信しているフリーランスや小規模チームの代表を見つけ、その人の思考プロセスに共感できるなら、そこへ直接DMを送るのも現代的な賢い探し方です。
まとめ:比較サイトは「正解」ではなく「選択肢のきっかけ」にする
- 比較サイトのランキングは「広告・営業力」のランキングと心得る
- 手間を惜しまず、一次情報(公式サイト・担当者との対話)を取りに行く
- 失敗しないコツは、自分たちのビジネスに興味を持ってくれる相手を選ぶこと
Web制作会社選びは、結婚相手選びに似ています。「年収ランキング」や「条件検索」だけでパートナーを決める人はいませんよね。実際に会い、話し、価値観が合うかを確かめるはずです。
比較サイトはあくまで「出会いのきっかけ(マッチングアプリ)」に過ぎません。そこに掲載されている情報が全て真実だとは思わず、必ずあなた自身の目で公式サイトを確かめ、担当者と言葉を交わしてください。
「おすすめ〇選」という誰かの物差しではなく、「私たちのビジネスを、この人たちなら理解してくれる」というあなたの確信こそが、失敗しないための唯一の正解なのです。
広告の匂いがしない本音の情報を探していたあなたなら、きっと良いパートナーを見極められるはずです。安易なランキングに逃げず、本質的な対話ができる制作会社を選び取ってください。