
WordPressを始めようとした矢先のエラー。目の前が真っ暗になっているかもしれませんが、安心してください。インストール失敗の原因は、実はわずか数パターンに集約されます。この記事では、あなたの画面に出ているエラーの正体を突き止め、わずか5分で解決するための具体的な手順を解説します。
Webサイト構築の第一歩で躓くと、まるで自分がその仕事に向いていないかのような錯覚に陥るかもしれません。しかし、これらは単なる「設定のパズル」のピースが一つずれているだけに過ぎません。システム開発の現場で数々のトラブルを見てきましたが、初期設定のエラーで解決不能なものなど存在しないのです。焦りを手放し、一つひとつ紐解いていきましょう。
なぜWordPressのインストールに失敗するのか?主な原因と分類
- エラーメッセージは「拒絶」ではなく「ヒント」である
- 原因は「データベース」「ファイル」「サーバー設定」の3つに大別される
- 焦って何度もボタンを押すと、事態が複雑化しやすい
画面に表示される英語交じりのエラーメッセージや、真っ白な画面。これを見た瞬間に思考停止してしまう気持ちは痛いほど分かります。しかし、これらはパソコンが壊れたわけでも、あなたが大きなミスを犯したわけでもありません。「ここが通りにくいですよ」と教えてくれている交通整理の合図だと思ってください。
WordPressのインストール失敗は、大きく分けて以下の3つのエリアで起きています。
- データベース(DB)の接続不良:
サイトのデータを保存する「ノート(DB)」と、WordPressという「ペン」が上手く繋がっていない状態です。 - ファイルやフォルダの重複:
以前のインストールの残骸や、自動生成されたファイルが邪魔をして、新しい家を建てられない状態です。 - サーバー側の制限:
セキュリティ設定が厳しすぎたり、PHPというプログラムのバージョンが合っていなかったりする状態です。
まずは深呼吸をして、あなたの画面に出ている現象がどれに当てはまるか、以降の章で照らし合わせていきましょう。原因さえ特定できれば、解決は目の前です。
「目的のフォルダーはすでに存在しています」が出た時のファイル削除手順
- 過去のインストール失敗時の「残骸ファイル」が邪魔をしている
- FTPソフトを使わなくてもサーバーの管理画面から削除可能
- 「public_html」などの公開フォルダ内を一度空にする勇気が必要
インストールボタンを押した際に『インストールに失敗しました:目的のフォルダーはすでに存在しています』というメッセージが出ることがあります。これは、非常に初歩的かつ頻出するエラーです。
簡単に言えば、「新しい家を建てようとしたら、更地だと思っていた場所に前の家の基礎が残っていた」という状態です。特に、一度インストールに失敗してやり直そうとした時によく発生します。
解決手順
- レンタルサーバーの管理画面(コントロールパネル)にログインします。
- 「ファイルマネージャー」という機能を探して開きます(FTPソフトが使えなくても、ブラウザ上で操作できます)。
- インストールしようとしているドメインのフォルダ(例:
public_html/your-domain.com/など)を開きます。 - そこに
wp-contentwp-adminなどのフォルダやファイルが残っていませんか? - これらが「残骸」です。 必要なバックアップ(もしあれば)を取った上で、インストール先のフォルダ内にあるファイルを全て削除してください。
フォルダを「更地」にすることで、WordPressはスムーズに新しいファイルを展開できるようになります。
データベース接続エラー(DB設定ミス)を解消する3つのチェックポイント
- 「データベース接続確立エラー」はID・パスワード・ホスト名の不一致が原因
- 全角スペースや余計な空白が混入していないか確認する
- 「localhost」で良いのか、固有のアドレスが必要かを見極める
『データベース接続確立エラー』という白い画面が出た場合、これはWordPress本体のファイルは置けたけれど、データを書き込むための「データベース」への扉が開かない状態です。
原因の99%は、入力情報の単純な打ち間違いです。以下の3点を徹底的にチェックしてください。
- データベース名とユーザー名の混同
サーバーによっては、データベース名とユーザー名が似ている(あるいは同じ)場合がありますが、これらは別物です。マニュアルや設定完了メールを見直し、正確に入力してください。 - パスワードに含まれる「見えない空白」
パスワードをコピー&ペーストした際、末尾に半角スペースが入ってしまうことがよくあります。一度メモ帳などに貼り付けて、余計な空白がないか確認してから入力欄に戻してください。 - データベースのホスト名
ここが一番の落とし穴です。多くの解説記事では「localhost」と入力すれば良いと書かれていますが、サーバー会社によっては固有のアドレス(例:mysql123.db.sakura.ne.jpなど)を指定する必要があります。お使いのサーバーの仕様を確認しましょう。
レンタルサーバーの「クイックインストール」でエラーが起きる場合の対処法
- 「簡単インストール」機能でもエラーは起きる
- WAF(Webアプリケーションファイアウォール)が誤検知している可能性
- インストール先ディレクトリ(URLの末尾)の指定ミスを確認
最近のレンタルサーバーには「WordPress簡単インストール」「クイックインストール」といった便利な機能があります。しかし、これを使ってもエラーになることがあります。さくらインターネット等の公式サポート情報(※primary_source参照)でもよく挙げられる原因の一つが、セキュリティ機能の干渉です。
WAF(ワフ)設定の一時無効化
WAFとは、不正なアクセスを防ぐ強力なセキュリティ機能です。しかし、WordPressのインストール作業自体を「外部からの変更攻撃」と勘違いしてブロックしてしまうことがあります。
サーバー管理画面のセキュリティ項目から「WAF」の設定を一時的に「OFF」にして、再度インストールを試みてください。(インストール完了後は必ずONに戻しましょう)
インストール先ディレクトリの確認
URLを https://example.com にしたいのに、インストール先の設定で wp と入力してしまい、 https://example.com/wp にインストールされてしまう(あるいはその逆で、空欄にすべきところでエラーになる)ケースです。ドメイン直下に表示させたい場合は、インストール先ディレクトリ欄を空欄にするか、指定の方法に従ってください。
テーマやプラグインのインストールが「失敗」と表示される際の解決策
- アップロードしたZipファイルの中身が二重構造になっていないか
upload_max_filesize(アップロード上限)の数値が低すぎる- タイムアウトエラーは通信環境やサーバー負荷も疑う
WordPress本体のインストールはできたけれど、有料テーマやプラグインを入れようとしたら『パッケージをインストールできませんでした』となるケースです。
1. 解凍の階層ミス
購入したテーマのZipファイルをそのままアップロードしていませんか? 解凍すると、中に「マニュアル」や「ライセンス」と並んで、もう一つZipファイルが入っていることがあります。アップロードすべきなのは、その「中身のZipファイル」です。
2. アップロードサイズ制限
サーバーの初期設定では、アップロードできるファイルサイズが「2MB」や「5MB」に制限されていることがあります。高機能なテーマはこれを超えるため、エラーになります。
これは後述するPHPの設定(php.ini)で upload_max_filesize と post_max_size の数値を増やすことで解決します。
PHPのバージョンやメモリ制限など、サーバー側の環境設定を確認する
- 最新のWordPressは古いPHPバージョンでは動かないことがある
- PHPのバージョン切り替えはサーバー管理画面でワンクリック
- メモリ制限(Memory Limit)を緩和して動作を安定させる
WordPressは「PHP」というプログラミング言語で動いています。このPHPのバージョンが古すぎたり、新しすぎてテーマが対応していなかったりすると、エラーが発生します。
PHPバージョンの確認と変更
サーバー管理画面の「PHPバージョン設定」を確認してください。現在は「PHP 8.x」系が推奨されていますが、古いテーマやプラグインを使う場合は「7.4」等でないと動かないこともあります。推奨バージョンに切り替えてみてください。
メモリリミットの引き上げ
『Fatal error: Allowed memory size of…』というエラーが出たら、メモリ不足です。サーバーの設定ファイル(php.ini)編集機能を使って、以下のように記述を追加または変更します。