
「Elementorを選んだのは間違いだったかも…」そう思っていませんか?
直感的にデザインできるはずが、クリックするたびにワンテンポ遅れる反応、グルグルと回り続ける読み込みアイコン。これではクリエイティブな作業どころか、精神的な修行のようになってしまいますよね。
実は、Elementorが重い原因の多くは、ツール自体のせいではなく、環境設定のミスマッチにあります。
私は普段、AIを活用したSEO記事作成やGoogleマップ運用の自動化システムを構築していますが、自動化の現場でも「ツールのパフォーマンスを最大化する設定」は命綱です。Elementorも同じで、正しい「チューニング」さえ施せば、驚くほど軽快に動作します。
この記事では、単なるサイトの表示速度だけでなく、編集画面のイライラまで解消し、ストレスフリーな制作環境を取り戻すための具体策を、技術的な視点からわかりやすく解説します。
SWELLやStudioへの乗り換えを検討する前に、あと少しだけ設定を見直してみませんか?その「重さ」は、必ず解消できます。
なぜElementorは「重い」「使いにくい」と言われるのか?
- 高機能ゆえの宿命:単なるテキストエディターではなく、Webサイトビルダーそのものが動いている
- DOM過多:古い組み方(セクション・カラム)がコードを複雑にしている
- サーバーリソース不足:一般的な共用サーバーの初期設定ではパワー不足
Elementorは、WordPress上で動くただのプラグインではありません。実態は「ブラウザ上で動く高機能なWebサイト構築アプリ」です。PhotoshopやIllustratorをブラウザで動かしているようなものだとイメージしてください。
そのため、標準的なブログ運営を想定したサーバー設定や、古いHTML構造のままで運用しようとすると、どうしても無理が生じます。「重い」と感じるのは、ElementorというF1マシンを、軽自動車用のエンジンで走らせようとしている状態に近いのです。
多くの人がここで「Elementorはダメだ」と諦めてしまいますが、それはあまりに勿体ない判断です。原因の所在を「ツール」ではなく「環境と設定」に切り分けることで、解決の糸口が見えてきます。
エディターがカクつく原因:PC環境とサーバー設定を見直そう
- PHPメモリリミットの拡張:最低でも256MB、推奨は512MBへ変更する
- ブラウザのハードウェアアクセラレーション:GPUの力を借りて描画を軽くする
- 編集履歴(リビジョン)の制限:データベースの肥大化を防ぐ
「サイトの表示はそこそこ早いのに、編集画面(バックエンド)がとにかく重い」。この悩みを持つフリーランスの方は非常に多いです。これは、フロントエンドの高速化とは全く別のアプローチが必要です。
PHP Memory Limit(メモリ上限)の壁
最も大きな原因はこれです。多くのレンタルサーバーでは、PHPのメモリ上限が初期値で「128MB」などに設定されています。Elementorのエディターを快適に動かすには、これでは足りません。
サーバーのコントロールパネル、あるいはwp-config.phpファイルを編集して、以下の記述を追加・変更してください。
define( 'WP_MEMORY_LIMIT', '512M' );
これだけで、エディターの読み込みエラーや動作のラグが劇的に改善されるケースが大半です。「256M」でも動きますが、プロとして案件を回すなら「512M」を確保することをお勧めします。
ブラウザ側のボトルネック
Chromeなどのブラウザは、タブを多く開くとメモリを大量に消費します。Elementor編集時は、不要なタブを閉じるか、Elementor専用の別プロファイルを作成して拡張機能をオフにした状態で作業すると、驚くほどスムーズになります。
サイトの読み込み速度を爆速にする5つのテクニック
- 画像の最適化:WebP形式への変換と適切なサイズ圧縮
- 遅延読み込み(Lazy Load):ファーストビュー以外の画像は後から読み込む
- コードの圧縮:Minify設定でCSS/JSファイルを軽量化する
- Google Fontsの制御:不要なフォント読み込みを停止またはスワップ設定
- Elementorの実験的機能:最新のパフォーマンス設定をONにする
エディターが軽くなったら、次は訪問者が見る「表側の速度」です。SEOの観点からも、表示速度は収益に直結します。
Elementorの内部設定を使い倒す
多くの人が外部プラグインに頼ろうとしますが、まずはElementor本体の設定を見直しましょう。「Elementor」>「設定」>「機能(Features)」タブには、高速化のための設定が詰まっています。
特に以下の項目は「Active」にすることを推奨します。
- Inline Font Icons: アイコンフォントの読み込みを減らします。
- Optimized DOM Output: HTMLタグの数を減らします。
- Improved CSS Loading: 必要なCSSだけを読み込みます。
これらを有効化するだけで、外部プラグインなしでもPageSpeed Insightsのスコアが改善します。
「使いにくい」を解消する!最新のコンテナ(Flexbox)活用術
- DOMサイズの削減:ネスト(入れ子)構造が浅くなり、ブラウザの描画負荷が減る
- レスポンシブ設定の簡略化:PC/SPでのレイアウト調整が直感的に
- 自由度の向上:複雑なレイアウトもシンプルな構造で実現可能
もしあなたがまだ「セクション」と「カラム」を使ってサイトを作っているなら、それが「重さ」の原因かもしれません。Elementorは現在、Flexbox Container(コンテナ)という新しい組み方を推奨しています。
なぜコンテナだと軽くなるのか?
従来の「セクション>カラム>ウィジェット」という構造は、たった一つの要素を表示するために何重もの<div>タグ(DOM要素)を生成していました。これが積み重なると、ブラウザがページを描画するのに時間がかかり、エディターの動作も重くなります。
「コンテナ」機能を使えば、不要な<div>を削除し、コードをスリム化できます。
これは単に新しい機能というだけでなく、「内部コードの軽量化」による根本的な高速化施策です。食わず嫌いをせず、コンテナレイアウトに移行することで、エディターのサクサク感を取り戻せます。
Elementorと相性の良いサーバー・テーマの選び方
- サーバー選び:LiteSpeed採用、またはNGINX設定が可能なサーバーを選ぶ
- テーマ選び:「Hello Elementor」一択。他の多機能テーマは足枷になる
- スペック投資:安さよりも「vCPU/メモリ」の割り当てリソースを重視
Elementorを使う上で、土台となるサーバーとテーマの選択は重要です。
テーマは「Hello Elementor」が最強
SWELLやCocoonなどの優秀な国産テーマの上にElementorを入れているケースを見かけますが、これは「防弾チョッキの上にさらに鎧を着ている」ようなものです。機能が重複し、コードが喧嘩して重くなります。
Elementorでサイトを作るなら、公式テーマである「Hello Elementor」を使用してください。ほぼ空っぽのテーマなので最軽量であり、デザインはすべてElementor側で制御するという設計思想です。これが最も動作が安定し、高速です。
速度低下を招く「やってはいけない」NG設定
- アドオンプラグインの入れすぎ:便利機能パックは「激重」の主犯格
- 巨大な動画の自動再生:背景動画は圧縮するか、静止画で代替検討
- 過剰なモーションエフェクト:すべての要素を動かすとブラウザが悲鳴をあげる
Elementorの魅力は拡張性ですが、それが仇となることがあります。
特に注意したいのが「Elementor Addon」系のプラグインです。「〇〇Addon for Elementor」といったプラグインパックは、数多くのウィジェットを一括で追加してくれますが、使っていない機能のCSSやJSファイルまで読み込んでしまうものが多くあります。
必要な機能がある場合は、その機能単体のプラグインを探すか、カスタムCSSで実装することを検討してください。「便利だからとりあえず入れておく」は、サイトのパフォーマンスを殺す行為です。
高速化プラグインの導入で仕上げる最終ステップ
- キャッシュプラグイン:WP Rocket(有料)やWP Fastest Cacheでの制御
- データベースの最適化:WP-Optimizeで不要なデータを掃除する
- CDNの活用:Cloudflareなどでサーバー負荷を分散させる
ここまでの設定(PHPメモリ、コンテナ移行、画像圧縮、テーマ見直し)が完了して初めて、キャッシュプラグインの導入を検討します。土台が腐ったまま塗装をしても意味がないのと同様に、キャッシュプラグインはあくまで「仕上げ」です。
私が推奨するのは「WP Rocket」(有料)ですが、無料であれば「Flying Press」や「WP Fastest Cache」などがElementorと相性が良い傾向にあります。
ただし、設定を強くしすぎるとレイアウト崩れの原因になるため、「CSSの結合」や「JSの遅延読み込み」は、実際の表示を確認しながら慎重にONにしてください。
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Elementorは「重い」のではなく、「パワフルなツール」なのです。
プロの現場では、そのパワーを制御し、使いこなすことこそが腕の見せ所です。
今、「使いにくいから」といってSWELLやStudioに乗り換えれば、一時的には楽になるかもしれません。しかし、Elementorが持つ圧倒的なデザインの自由度や、動的なマーケティング機能(ポップアップやフォーム連携など)を手放すことになります。それは、ビジネスの拡張性を捨てることと同義かもしれません。
まずは今日、「PHPメモリリミット」の設定確認から始めてみてください。
たったそれだけで、あなたのElementorは驚くほど軽く、そして頼もしいパートナーに生まれ変わるはずです。