
「ホームページは作りたいが、何度も打ち合わせをする時間は1分もない」――そうお考えの院長へ。
実は、ポイントさえ押さえれば、一度も会わずに高品質なクリニックサイトを作ることは十分に可能です。むしろ、非対面だからこそ無駄が削ぎ落とされ、本質的な集患サイトが出来上がるメリットもあります。本記事では、失敗しないための条件を徹底解説します。
なぜ今、クリニックのホームページ制作に「対面打ち合わせ」が不要なのか
- 対面=高品質という思い込みが招く「言った言わない」のリスク
- 医療情報の正確性を担保するのは「会話」ではなく「テキストログ」
- 診療の合間を活用できる「非同期コミュニケーション」の圧倒的効率
多くの先生方が、「こちらの熱意や診療方針を伝えるには、直接会って話さないと伝わらないのではないか」と不安を抱かれています。しかし、私の経験上、クリニック制作において対面打ち合わせは必ずしも正解ではありません。
むしろ、対面での口頭コミュニケーションは、医療広告において致命的な「言った言わない」のトラブルの温床になりがちです。制作担当者がその場でメモを取り損ねたり、医学的なニュアンスを誤って解釈したりすることで、公開直前に修正の山となるケースは後を絶ちません。
特に先生のようなご多忙な方にとって、制作会社とのアポイントのために診療時間を削ったり、昼休みを潰したりすることは大きなストレスでしょう。メールやチャット、共有ドキュメントを用いた「非対面制作」であれば、先生は診療の合間の数分を使って確認・指示出しが可能です。
重要なのは「会うこと」ではなく、「正確な情報が伝わること」。SEOや患者導線を考慮した緻密な設計図を作る上では、感情的な熱量よりも、論理的で正確なテキスト情報のやり取りの方が、実は遥かに高品質なアウトプットにつながるのです。
打ち合わせなしで後悔しないための3つのチェックポイント
- その制作会社は「医療特化」のノウハウを持っているか
- 丸投げを許容する「ヒアリングシート」の解像度
- 修正指示のラリーが最小限で済むワークフローの有無
もちろん、どんな制作会社でも「打ち合わせなし」で成功するわけではありません。顔を合わせないからこそ、業者選定のハードルは上がります。以下の3点を必ず確認してください。
1. 医療業界への理解度と実績
一般的な制作会社に依頼すると、「自由診療と保険診療の区別」や「標榜科目の表記ルール」を一から説明しなければならず、かえって先生の手間が増えます。医療機関の制作実績が豊富で、業界用語が通じる相手を選ぶことは絶対条件です。
2. 構造化されたヒアリングシート
優秀な非対面制作サービスは、最初のヒアリングシート(質問票)が極めて優秀です。「強みは何ですか?」といった漠然とした質問ではなく、「貴院の糖尿病治療において、食事指導と投薬の比重はどうお考えですか?」のように、回答するだけでサイトの骨子が完成するような設問設計がなされています。これがある会社なら、対面は不要です。
3. 修正フローの明確さ
「打ち合わせなし」を理由に、「修正は別料金」としたり「デザイン確定後の変更不可」とする業者は避けるべきです。非対面だからこそ、テスト環境でのプレビュー確認や、チャットツールでの細やかな修正対応が標準装備されているかを確認してください。
制作会社へ「丸投げ」して良い部分と、院長が確認すべき必須事項
- 丸投げOK: デザイン、サーバー設定、SEOの内部構造
- 確認必須: 診療理念、治療方針、リスク・副作用の記述
- 危険領域: ライター任せにした「専門的な医療解説記事」
「時間がないから全部任せたい」というお気持ちは痛いほど分かります。しかし、すべてを丸投げすることは、先生ご自身のリスク管理としておすすめできません。
まず、デザインや配色の選定、スマホ対応(レスポンシブ)、サイトの表示速度対策といった技術的な部分は、プロに完全に任せてください。「青系で清潔感重視」程度の指示で十分です。ここに先生が時間を割く必要はありません。
一方で、「院長挨拶(診療理念)」と「具体的な治療方針」だけは、必ず先生の言葉(または先生が監修した言葉)である必要があります。ここが他院のコピペのような内容だと、患者さんは敏感に察知し、信頼を失います。
最も注意すべきは、SEO目的のブログ記事や疾患解説ページです。医療知識のないライターが書いた記事をノーチェックで公開すると、誤った情報を発信するリスクがあるだけでなく、後述する医療法違反に問われる可能性があります。ここだけは「最後の砦」として、先生の目を通す時間を確保してください。
医療広告ガイドライン遵守を非対面で完結させるためのコミュニケーション術
- 厚生労働省「医療広告ガイドライン」に基づいたNGワードの自動チェック
- 「限定解除」要件を満たすための記述テンプレート活用
- 口頭確認ではなく「エビデンス」を残す重要性
非対面制作における最大のリスク管理、それが医療広告ガイドラインの遵守です。対面で「なんとなく良い感じに書いておいて」と頼むのが一番危険です。
厚生労働省の「医療広告ガイドライン」では、虚偽広告や誇大広告、比較優良広告(No.1、最高など)が厳しく禁止されています。また、患者体験談やビフォアアフター写真の掲載にも厳しい制限があります。
非対面でこれをクリアするためには、制作会社とのやり取りをすべてドキュメント(GoogleドキュメントやWordの変更履歴機能など)に残すことが有効です。「なぜこの表現がNGなのか」「どう書き換えれば掲載可能か」をテキストで履歴に残すことで、先生自身も法的な安全性を確認できます。
特に、自由診療を掲載する際の「限定解除」要件(治療内容、費用、リスク・副作用の明記)については、制作会社側がテンプレートを持っているケースが多いです。それに沿って穴埋め形式で記述していく手法を取れば、対面で悩むよりも遥かにスムーズかつ確実に、コンプライアンスを遵守したサイトが完成します。
忙しい院長が選ぶべき「非対面特化型」制作サービスの種類と特徴
- パッケージ型:開業初期に最適。安価で早いが独自性は低め
- 医療特化SaaS型:予約システム連携や更新機能が強み
- セミオーダー型:構成案のみプロが作成、デザインは型で効率化
一口に「非対面」といっても、サービスには種類があります。先生の現状に合わせて選んでください。
1. パッケージ型(テンプレート利用)
とにかく急ぎで、名刺代わりのサイトが欲しい場合におすすめです。数万円〜数十万円で済みますが、SEOや集患効果は限定的です。「まずは存在を知ってもらう」段階ならこれでも十分です。
2. 医療特化SaaS型
月額制で、診療予約システムやWEB問診との連携がスムーズなタイプです。医療機関に必要な機能が最初から備わっているため、打ち合わせゼロでも機能的なサイトが手に入ります。機能性を重視する合理的な先生に向いています。
3. セミオーダー型(構成重視)
私が最もおすすめするのはこのタイプです。デザインは既存の良質な型を使いつつ、中身の文章や構成(SEO対策)にはプロのコンサルタントが入るパターンです。Zoomすら不要で、チャットとドキュメントのやり取りだけで、先生の強みを反映した「集患できるサイト」が作れます。
まとめ:対面の有無よりも「情報の言語化」がクリニックHPの質を決める
- ホームページは24時間働く「受付兼カウンセラー」
- 質を決めるのは会議室での議論ではなく、画面上の情報の正確さ
- 「時間がない」を言い訳に放置するリスクの方が高い
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ホームページ制作において最も重要なのは、先生と制作担当者が何時間顔を合わせたかではなく、「患者さんが知りたい情報が、正しく、分かりやすく言語化されているか」という一点に尽きます。
現代のクリニック経営において、ホームページは先生の代わりに24時間365日、患者さんへの説明と誘導を行ってくれる優秀なスタッフです。その構築を「時間がないから」と先送りにしたり、あるいは「会わないと不安だから」と非効率な手法に固執したりすることは、機会損失を生み続けることと同義です。
打ち合わせなしでも、いや、打ち合わせなしだからこそ実現できる「リスク管理された効率的な制作フロー」は存在します。ぜひ、先生の貴重な時間を守りながら、医院の信頼を支える盤石なWebサイトを手に入れてください。