
「開院まで時間がないのに、ホームページがまだできていない……」と焦っていませんか?
結論から言えば、クリニックのホームページは最短2週間〜1ヶ月での公開が可能です。
開業準備は内装工事、スタッフ採用、保健所への申請など、やるべきことが山積みです。その中でWebサイトの準備が後回しになってしまうのは、多くの先生方が経験されることです。決して先生だけの落ち度ではありませんので、まずは深呼吸してください。
ただし、「速さ」だけで制作会社を選んでしまうと、後に修正不可能なトラブルを招くリスクがあります。特に医療業界には特有の法規制があり、一般的な「スピード制作」を謳う業者がそこを理解しているとは限りません。
本記事では、数多くのクリニックサイトを手掛け、患者さんの行動心理とSEOを知り尽くした私の視点から、短納期で高品質なサイトを手に入れるための「失敗しないための鉄則」を解説します。焦る気持ちを一度抑え、最短ルートでゴールするための地図としてお読みください。
クリニックのホームページ制作にかかる標準期間と「短納期」の目安
- 一般的な制作期間は「3〜4ヶ月」が標準
- 「短納期」とは「2週間〜1ヶ月」での公開を指す
- 期間短縮のために削ってよいのは「迷う時間」と「過度なこだわり」だけ
まず、Web制作の現実的なタイムラインを共有しましょう。
通常、競合調査から設計、デザイン、コーディング、そして医療広告ガイドラインのチェックを含めると、完全オリジナルのクリニックサイト制作には3〜4ヶ月かかります。
しかし、先生にはその時間は残されていないはずです。では、どうやって「2週間〜1ヶ月」という短納期を実現するのか。
それは工程を「雑にする」ことではなく、「ゼロから作る工程を省く」ことで実現します。
具体的には、デザインを一から書き起こすのではなく、実績のある「型(テンプレート)」を使用すること。そして、掲載する情報を「開院時に患者さんが最低限知りたいこと」に絞り込むことです。
「デザインにこだわりたい」という気持ちはあるかもしれませんが、開院に間に合わなければ、患者さんは先生のクリニックの存在すら認知できません。まずは「開院日にWeb上に看板があること」を最優先ゴールに設定しましょう。
短納期でも失敗しない制作会社選びの3つのチェックポイント
- 【最重要】医療機関の制作実績が豊富か(一般企業向けはNG)
- 短納期プランやパッケージ(テンプレート)を持っているか
- レスポンスの速さと「進行管理」のリード力があるか
急いでいる時こそ、業者の選定眼が問われます。ここで選択を誤ると、公開直前になって「やっぱり間に合わない」という最悪の事態になりかねません。
1. 医療特化の制作会社であること
これが絶対条件です。一般的な飲食店や美容室のサイトが得意な会社に頼むと、「診療科目の見せ方」や「予約システムとの連携」で必ずつまずきます。説明コストがかからない、医療特化の業者を選んでください。
2. 既存の「型」を持っているか
「すべてオリジナルで作ります」という言葉は、短納期の場面ではリスクでしかありません。「すでに完成された高品質なテンプレートがあり、そこに先生の写真と文章を入れるだけ」という仕組みを持っている会社が、スピード勝負では最強です。
3. 先生をリードしてくれるか
先生は多忙です。「どうしますか?」と聞いてくる受け身の業者ではなく、「次はこれをいつまでにください」と明確に指示し、進行をグイグイ引っ張ってくれるディレクターがいる会社を選んでください。
【重要】スピード重視でも「医療広告ガイドライン」遵守を妥協してはいけない理由
- ガイドライン違反は「サイト閉鎖」や「行政指導」のリスクがある
- 修正対応でかえって時間がかかり、開院の足かせになる
- 知識のない格安業者は「違反表現」を平気で使ってしまう
私がここで最も強くお伝えしたいのが、この「医療広告ガイドライン(医療法)」のリスクです。
Web制作の知識はあっても、医療法の知識がない制作会社は山ほどあります。彼らは良かれと思って、以下のような表現を使ってしまいます。
- 「地域No.1の治療実績」
- 「絶対に治ります」
- 「最新・最高の医療機器を導入」
- 「〇〇キャンペーン実施中」
これらはすべて、医療広告ガイドラインで禁止されている表現です。
もしこれらが掲載されたまま公開し、保健所のチェックや競合他院からの通報が入れば、サイトの一時閉鎖や修正命令が下ります。最悪の場合、開院早々に信頼を失い、修正作業に追われることになります。
「急がば回れ」ではありません。「急ぐなら、プロに頼れ」です。
法的なチェック機構を社内に持っている、あるいはガイドラインに精通したライターがいる制作会社を選ぶことが、結果として手戻りのない最短ルートになります。
納期を1週間早めるために院長側が準備しておくべき素材リスト
- プロフィール写真と院内写真は「スマホ撮影」でも一旦OK
- 院長の経歴・資格リスト(テキストデータで用意)
- 診療時間・休診日・アクセスの正確な情報
- ロゴデータ(AIデータまたは高解像度画像)
制作が止まる最大の原因は、実は「業者待ち」ではなく「原稿・素材待ち」です。先生からの素材提出が遅れれば、公開は確実に遅れます。
短納期を目指すなら、以下のスタンスで準備してください。
「写真は後で差し替えればいい」
プロのカメラマンの手配がつかないなら、一旦ご自身のスマートフォンで撮影した写真でも構いません。最近のスマホは画質も十分です。まずは「空白」を作らず、仮の素材で埋めて公開し、開院後にプロの写真に差し替える運用で進めましょう。
「文章は箇条書きで渡す」
綺麗な挨拶文を考える必要はありません。「経歴」「資格」「所属学会」「診療方針(思い)」を箇条書きにして制作会社に渡してください。医療特化の会社なら、それを然るべき形にリライト(整文)してくれます。
最速公開を目指すなら「テンプレート活用」と「サブスク型」が有力な選択肢
- 初期費用を抑え、即日〜数週間で公開可能な「サブスク型」
- デザイン・構築済みの「テンプレート」ならコーディング期間をカット
- 開業初期は「名刺代わりのサイト」として割り切る戦略
Webの知識が乏しい先生にこそおすすめしたいのが、「サブスクリプション型(月額制)」のホームページ制作サービスです。
これらは初期費用が数万円〜十数万円と安価で、医療機関に必要な機能がパッケージ化されています。サーバーの契約やドメインの取得も代行してくれるケースが多く、面倒な手続きをショートカットできます。
また、サブスク型の多くは、デザインテンプレートを選んで情報を流し込む方式のため、素材さえ揃えば最短3営業日〜1週間で公開できるサービスも存在します。
「オリジナルデザインじゃないと他院と差別化できないのでは?」と不安に思うかもしれません。しかし、患者さんが最初に見るのはデザインの奇抜さではなく、「家から近いか」「今やっているか」「どんな先生か」という情報です。
開業初期はあえて完成度80点のテンプレートサイトでスタートし、経営が軌道に乗ってからリニューアルするというのも、賢い経営戦略の一つです。
公開をゴールにしない!短納期サイトで後から差がつく運用・SEO対策
- 公開時は「最低限」でOK。重要なのはその後の「育て方」
- 「院長ブログ」や「疾患解説」の追加がSEOの鍵
- Googleマップ(MEO)対策は公開と同時に必ず行う
最後に、専門家としてのアドバイスです。
短納期で作ったサイトは、どうしてもページ数や情報量が少なくなります。そのままでは「地域名 + 診療科」などの検索順位(SEO)で上位を取るのは難しいでしょう。
ですが、焦る必要はありません。Webサイトは「公開して終わり」ではなく「育てていくもの」だからです。
まずは開院に間に合わせて公開する。そして、開院後の少し落ち着いたタイミングで、以下のアクションを行ってください。
- 疾患ページを増やす: 「高血圧」「糖尿病」など、症状や病名ごとの詳しい解説ページを追加していく。
- お知らせを更新する: インフルエンザワクチンの案内や、年末年始の休診情報をまめに更新し、サイトが「生きている」ことを示す。
- Googleビジネスプロフィール(MEO)の登録: Googleマップ上の情報を充実させ、HPへのリンクを貼る。これは即効性があります。
短納期のサイト制作は、あくまでスタートラインに立つための手段です。
今は完璧を目指さず、「安全に、確実に、開院日に間に合わせる」ことだけに集中してください。その決断さえできれば、先生のクリニックのWeb戦略は必ずうまくいきます。