
「ホームページは、一度作れば資産になるはず。それなのに、なぜ毎月数万円も払い続けなければならないのか?」
日々、多くの内科クリニックの院長先生とお話しする中で、これほど多く聞かれる不満はありません。特にインフルエンザワクチンの在庫状況や特定健診の案内、急な発熱外来の対応など、時期や感染症の流行によってお知らせ内容が頻繁に変わる内科にとって、更新のたびに追加費用がかかったり、依頼してから反映されるまでにタイムラグがある契約形態は、経営的にも実務的にも非効率極まりないものです。
毎月の固定費削減に頭を悩ませる合理的思考をお持ちの先生であれば、「なぜ何もしなくても保守費用が発生するのか」と疑問を持たれるのは当然のことです。
本記事では、業界で常識とされている「サブスク型・月額保守前提」のモデルに疑問を投げかけ、無駄な月額費用をカットし、自院で自由にコントロールできる「買い切り型」制作で、ホームページを本当の意味での「資産」にするための成功戦略を解説します。
- ホームページが「借り物」ではなく、完全な「自院の資産」になる
- 契約解除後もデータが消滅せず、長期間の運用が可能
- 月々の固定費が圧縮され、損益分岐点が明確になる
内科クリニックがホームページを「買い切り型」にする最大のメリット
多くの院長先生が誤解されていることがあります。それは、「ホームページにお金を払うのは、制作会社に管理してもらうため」という認識です。しかし、月額制(サブスクリプション型やリース契約)の場合、支払いを止めた瞬間にホームページが表示されなくなる契約が少なくありません。これでは、何年払い続けてもホームページは「賃貸物件」のままであり、いつまで経っても先生のものにはならないのです。
内科クリニックは、地域のかかりつけ医として10年、20年と長く地域に根ざすビジネスモデルです。その「顔」となるホームページが、制作会社の契約に縛られた「借り物」であって良いはずがありません。
「買い切り型」の最大のメリットは、ドメイン(住所)とサーバー(土地)、そしてホームページのデータ(建物)の権利を、すべてクリニック側が保有できる点にあります。これにより、制作会社が倒産したり、サービス内容が変わったりしても、先生の資産であるホームページは影響を受けず、永続的に運用することが可能になります。
- 初期費用は高いが、中長期では「買い切り型」が圧倒的に安価
- 月額管理費の積み重ねが、数年でHundreds of thousands of yenの差を生む
- 損益分岐点は通常「1年半〜2年」で訪れる
月額制(サブスク)とのコスト比較:3年・5年でこれだけの差が出る
ここで、具体的な数字を見てみましょう。
株式会社アイトリートの調査(https://itreat.co.jp/blog/clinic-website)によると、医療機関向けホームページ制作の相場は、初期費用30〜100万円、月額管理費5,000〜20,000円が一般的とされています。これに基づき、一般的な内科クリニックのケースでシミュレーションを行います。
【A社:サブスク型(初期費用を抑えるプラン)】
- 初期費用:0円 〜 5万円
- 月額費用:25,000円
- 5年間の総額:約150万円
- *※解約するとサイトは消滅*
【B社:買い切り型(標準的な制作プラン)】
- 初期費用:50万円
- 月額費用:0円(実費サーバー代 約1,000円は別途)
- 5年間の総額:約56万円
- *※サイトは資産として残る*
いかがでしょうか。初期投資こそ「買い切り型」の方が大きいですが、わずか1年半〜2年程度でコストは逆転します。5年運用すれば、約100万円近い差が生まれます。
この100万円があれば、新たな医療機器のリース代に充てることも、スタッフへの賞与に還元することも可能です。「初期費用が安いから」という理由だけで月額制を選ぶことは、長期経営の視点では大きな損失となる可能性があるのです。
- ドメインとサーバーの名義が「クリニック」になっているか確認
- 特殊な独自プログラムではなく、汎用的な「WordPress」等で作られているか
- 修正やページ追加における単価設定が明確か
買い切り型制作で失敗しないための必須チェックリスト
「買い切り型なら何でも良い」わけではありません。安易な買い切り型を選んでしまい、後で「更新が全くできない」「修正費が高額すぎる」といったトラブルに見舞われるケースもあります。
契約前に必ず確認すべきは、「管理者権限の所在」です。
サーバーやドメインの契約名義が制作会社になっている場合、実質的には管理を握られているのと同じです。必ず「院長名義」または「法人名義」で契約代行をしてくれるか、あるいはアカウント情報を完全に引き渡してくれる業者を選んでください。
また、使用するシステム(CMS)も重要です。制作会社独自のシステムを使っている場合、その会社と縁が切れたら更新できなくなります。世界標準である「WordPress(ワードプレス)」など、どの業者でも(あるいは院内スタッフでも)扱える汎用的なシステムで納品されることを条件にしてください。これが「資産」としての流動性を担保します。
- スマホ対応(レスポンシブデザイン)は絶対条件
- Googleマップ(MEO)との連携表示
- トップページでの「休診・お知らせ」表示枠
- WEB予約システムへのスムーズな導線ボタン
内科集患に不可欠!買い切りプランでも外せない4つの標準機能
内科を探す患者さんの行動を想像してください。
「熱が出た」「喉が痛い」と感じた時、PCを開く人は稀です。ほぼ100%、スマートフォンの検索画面からクリニックを探します。
そのため、買い切り型であっても、以下の機能だけは削ってはいけません。
- 完全スマホ対応(レスポンシブ)
PCのデザインをそのまま縮小したようなサイトは、文字が小さすぎて読まれません。スマホで見やすく、電話ボタンが押しやすいデザインが必須です。 - Googleマップ連携
「近くの内科」と検索された際、地図アプリから直接サイトに飛んできます。アクセスページの地図は見やすいですか? - 目立つ「お知らせ」機能
「今日の午後は発熱外来をやっているか?」「ワクチンはあるか?」これらがトップページを見て1秒で分からないと、患者さんは電話をかけてきます。これが受付業務を圧迫します。 - WEB予約への導線
多くの内科が導入している予約システム。サイト上の分かりやすい位置に「予約ボタン」が固定表示されているだけで、新患の獲得率は変わります。
これらは「高機能」ではなく、現代の内科クリニックにおける「標準装備」です。これらがオプション扱いになるような見積もりには注意が必要です。
- 「お知らせ更新」ごときで業者を使わない体制を作る
- インスタグラムが使えるスタッフなら更新作業は可能
- 更新マニュアルを納品物に含めるよう要求する
「制作後の更新」を院内で完結させ、ランニングコストを最小化する秘訣
ここが、本記事で最もお伝えしたい「コストゼロ運用の肝」です。
多くの院長先生が月額保守を払い続ける理由は、「自分たちでは更新できないから」という不安からです。
しかし、内科クリニックで頻繁に必要な更新とは何でしょうか?
多くは「年末年始の休診案内」「インフルエンザワクチンの開始時期」「医師の不在連絡」といった、テキストベースのお知らせです。
これだけの作業に、いちいち制作会社へメールを送り、数日後の反映を待ち、その対価として費用を払うのはあまりに非効率です。WordPressなどのシステムを使えば、これらはブログを書く感覚で、院内の受付スタッフでも数分で完了できます。
ポイントは、制作会社に「スタッフ向けの更新マニュアル」を作ってもらうこと、あるいは納品時に「更新レクチャー会」を実施してもらうことです。
「難しいデザイン変更はプロに任せ、日々の情報は自分たちで発信する」。この線引きこそが、ランニングコストを最小化し、かつ患者さんへの情報提供スピードを最大化する秘訣です。
- 「保守契約なし」のプランを公式サイトで明言しているか
- サーバー・ドメインの実費契約を推奨しているか
- 制作後の「修正単価」表を事前に提示してくれるか
買い切り型に対応した信頼できる制作会社・サービスの見分け方
では、そのような良心的な制作会社はどう探せばよいのでしょうか。
見分けるポイントは「透明性」です。
悪質な業者は、月額費用で利益を出し続けるために、あえて「更新を難しく」したり、サーバーの契約情報を隠したりします。
逆に、信頼できる制作会社は、「毎月の管理費は不要です。その代わり、サーバー代(実費)だけはご自身でカード決済してください」と、正直に案内します。
また、制作後のアフターフォローについても確認しましょう。「スポット修正」という形で、必要な時だけ都度見積もりで対応してくれる会社がベストです。「テキスト修正1箇所3,000円〜」など、メニュー表が整備されている会社は信頼できます。
- 「管理費0円」でも「実費0円」ではないことを理解する
- WordPress等のシステム自動更新設定を確認する
- 定期バックアップの仕組みを導入時に設定しておく
知っておきたい注意点:サーバー・ドメイン管理とセキュリティ対策
最後に、リスク管理についてお話しします。
「買い切り型=運用費0円」を目指しますが、厳密には「制作会社への支払いが0円」になるだけで、WEBサイトを維持するための最低限の実費は発生します。
- ドメイン代(住所代): 年間1,500円〜3,000円程度
- サーバー代(土地代): 月額1,000円〜1,500円程度
これらは、クリニック名義のクレジットカードで自動引き落とし設定にしておけば、支払いを忘れることはありません。
また、セキュリティ(WordPressのバージョンアップなど)についても、現在はサーバー側の機能で「自動更新」が設定できる場合がほとんどです。制作時に「セキュリティプラグインの導入」と「自動バックアップ設定」さえ済ませておけば、専門知識がない院長先生でも、十分に安全な運用が可能です。
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賢明な院長先生への提言
ホームページは、クリニックの「看板」であり「受付」です。
その重要な機能を、他社にコントロールされる月額契約のままにしておくことは、経営上のリスクと言わざるを得ません。
毎月数万円の「安心料という名の無駄金」を払い続けるのをやめ、自院でコントロールできる「資産」としてのホームページに切り替える。それは、単なる経費削減だけでなく、変化の激しい医療情勢に合わせて即座に情報を発信できる「強いクリニック」への第一歩となります。
今こそ、契約書を見直し、合理的な選択をする時です。